コンクリート構造物の躯体に組み込まれている鉄筋は、そのコンクリート形成時に生成された高アルカリ性によって腐食要因から守られている。
この高アルカリ性は、セメントの水和反応によって生成した水酸化カルシウムが、空気中の炭酸ガスと反応すると炭酸カルシウム化し、それによってコンクリート中のアルカリ性は表層面から除々に失われ、中性化していく。
中性化したコンクリート中の鉄筋は腐食しやすく、腐食が進行し・鉄筋に断面欠損が生じて引張強度の低下や、コンクリートとの付着力の低下が生じる。
経年劣化によって擦れ等の劣化原因により部材の光沢が低下している状態。
経年劣化による紫外線、太陽熱等により色相が変化した状態。
また、同様の原因で光沢が低下する状態を光沢低下という。
塗膜、タイル、衛生陶器などの表面に生じた小穴で、欠陥の一つ。
例えば、塗装工事で塗装中に水分や空気の混入によって塗膜に生じる小穴は剥離の原因となる。
アルミ製品の場合、表面がアルマイト加工されていることから腐食しづらい材料と言われているが、表面にほこりやゴミなどが付着することで、微電流が発生し『電気腐食現象』(孔食)を引き起こす。
付着物:からぶきまたは、水洗いによって除去されるもの。
軽度の固着物:からぶき、水洗いによって除去されないが中性洗剤によって除去されるもの。
しみ:汚れが皮膜、塗膜の内部に浸透し、洗浄によっては除去できないもの。
レンガ目地、タイル目地、コンクリートなどの表面に発生する結晶化した白色の物質。
コンクリート中の可溶性成分を溶解した水が内部の空隙を通って表面に移動し、表面の乾燥に伴い表面に析出した物質。
または、表面に出てきた可溶性成分が空気中の炭酸ガスと反応して表面に沈着した白色の物質。
美観上好ましくない。
水が存在する環境下において水が部材断面を透過して染み出るか、あるいは部材内および部材間の間隙部分を通して漏出する現象。
ここでいう間隙部分とは、コールドジョイント、ジャンカ、豆板等の他に部材間の打継目、接合部材等を総称する。
塗装やシーリング材の表面が、劣化によりチョーク状の粉をふいたようになること。
※シーリング材:プレキャストコンクリート板や金属パネルのジョイント部、サッシ廻り、ガラスはめ込み部などの目地や隙間に、水密・気密の目的で充填する材料。
コンクリート内部の鉄筋はコンクリートが本来持つアルカリ性によって錆びることを抑制されているが、雨水や炭酸ガスの影響でコンクリート中のアルカリ分が 表面から除々に失われていくことによって錆びやすい環境が作られて行き、錆びた鉄筋は体積が膨張し、外側のコンクリートを押し出し、鉄筋が外部に露出する 現象。
また、かぶり厚さの確保がされていないため、鉄筋露出に至ることもある。
※かぶり厚さ:鉄筋コンクリート(RC)の部位・部材において、鉄筋の表面からこれを覆うコンクリート表面までの最短寸法のこと。
モルタルやタイルに湿潤や乾燥によって反りが生じ、躯体との間に隙間ができ、限界に達すれば剥落に至ることもある。
モルタル塗り層の剥離が進行し、塗り層またはタイル落下に至った状況。
また、浮いていたコンクリートが、躯体から剥がれ落ちた状態。鉄筋の露出を伴うものと、伴わないものとがある。
コンクリートに埋め込まれた手摺の鋼製部が錆びて膨張することによって、付根廻りのコンクリートやモルタルを押し出してしまうものと、コンクリート躯体と手摺の挙動率の差によるものがある。
部分的にモルタル塗り層が欠落していること、または剥落を始めタイル張りの欠け、脱落等をいう。
コンクリートを打ち込んだ時点では、一体であったコンクリート部材に、その後コンクリートの許容応力度以上の応力(主として引張強度以上の応力)が作用して生じるコンクリートの巨視的、部分的な破壊現象。
コンクリートの打継目、コールドジョイント等のコンクリートの不連続部分とは、発生過程の上で区分される。